有限会社イグノスでは、画像処理による検査・測定システムの開発やコンサルティングを承っております。お気軽にご相談ください。
ラインセンサカメラとは 今どきの携帯電話には大抵カメラが付いていて、シャッターを切ると四角形の写真が撮影できます。個人で写真を撮影しようと思ったら、このような一度のシャッターで1枚の写真が撮影できるカメラを使うことでしょう。 工業用のものであれば、このように一度のシャッターで四角い画像を撮影できるするカメラをエリアセンサカメラと呼びます。エリアカメラ、エリアセンサとも呼ばれます。 これに対して、ラインセンサカメラは一度に1列分の画像しか撮影できません。人間が手でシャッターを切るのとは違って、超高速にシャッターを切るため、ちゃんと画像が撮影できるのです。ラインカメラ、ラインセンサなどと呼ばれることもあります。 レンズを外してカメラの感光する部分を見てみると…。 エリア(センサ)カメラ ラインセンサは、エリアセンサに比べて大きな画素数での撮影が可能です。エリアセンサでは、高解像度の500万画素のカメラでも、例えば水平方向が2,448画素×垂直方向が2,050画素などです。 それに比べて、ラインセンサは大きいものでは12,000画素以上のものもあります。例えば7,500画素だとしても、水平方向の画素数は3倍以上になります。 試しに、500円玉を撮影してみると…
上記の例では、ラインセンサの方がより高精細なことが分かります。 また、垂直方向については、エリアセンサが決まった画素数であるのに対して、ラインセンサは自由な画素数で撮影することができます。 それでは、ラインセンサはどのような撮影に向いているでしょうか。 例えば、ある程度サイズが大きいものや長いものを撮影する場合、エリアセンサであれば、分割して撮影する方法もあります。その場合、複数の画像をつなぎ合わせる必要があります。もし欠陥を検出する検査をする場合、つなぎ目の部分に欠陥があるかもしれないと考えると、つなぐ作業は大変重要で難しいものになります。 このような場合は、ラインセンサを使えば一枚の画像として撮影でき、画像をつなぐ必要がありません。 エリアセンサの場合(全体を分割して撮影) 1枚撮影したら、次の撮影エリアまで移動する(赤点線で囲んだ部分が1枚の画像範囲)。少し重複して撮影する。 ラインセンサの場合(全体を1枚の画像として撮影) 撮影開始。撮影対象物を矢印の方向に移動する(青点線で囲んだ部分が1枚の画像範囲)。 また、筒状のようなものの外側を撮影する場合、エリアセンサで撮影するとピントが合う箇所が限られてしまいます。 エリアセンサの場合 エリアセンサで撮影すると、中央付近しかピントが合わず、もちろん一度にカメラ側の部分しか撮影できません。画像のイメージは以下のような感じです。 ラインセンサの場合 これに対し、ラインセンサで撮影した場合は、筒を回転させながらライン単位で撮影を繰り返すことで、1周分ぐるりとすべてピントが合った画像を撮影することができます。以下の場合、センサのライン方向は縦方向です。 この他に、撮影後に画像処理することを考えると、照明を均一にあてる必要があります。エリアセンサの場合は、撮影する範囲全体に均一の照明をあてる必要がありますが、ラインセンサの場合は、瞬間的に撮影する範囲が狭いため、撮影する1ライン分の範囲を考えれば良いのです。 このように、ラインセンサでの撮影に向いている場合もたくさんありますが、必ず撮影対象を移動しながらの撮影となるため、移動速度と撮影のタイミングを合わせないと、きちんとした画像になりません。 また、エリアセンサで対象全体を撮影できるのであれば、ラインセンサは高解像度の撮影が可能な分、比較すると撮影に時間がかかります。また、撮影した画像は高解像度のために、処理に時間がかかることも考えられます。 エリアセンサとラインセンサ、どちらのカメラを採用するのかは、いろいろな条件を考慮して決める必要があります。 |
TOP > 画像処理って? > ラインセンサカメラとは ▲ページトップ
情報セキュリティ基本方針 プライバシーポリシー ご利用にあたって サイトマップ
copyright © 2006 IGUNOSS,Inc. All Rights Reserved.